軍部の支配が強まる日本
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 軍部の支配が強まる日本
 満州事変は軍部の暴走
 無謀だった太平洋戦争
 GHQによる占領政策
 復興を速めた朝鮮特需
 経済成長は東洋の奇跡

満州事変は軍部の暴走

その頃、中国で日露戦争で勝利した結果、日本政府は『南満州鉄道』を運営していたんだ。
だから、『南満州鉄道』の警備隊(後の『関東軍』)が、満洲に配置されていたのね。

『五・一五事件』が起こる1年前、満州の柳条湖付近の南満州鉄道で、小さな爆発があったんだ。
これを関東軍は、「中国軍のしわざだ!」として報復にでたわけ。
1931年『満州事変』の勃発だ!

実は、この南満州鉄道での爆発は、関東軍の自作自演なんだ。
侵略の口実が欲しかっただけね。
もう、軍部は、何でもありの状態だ。

日本政府は、「戦闘を拡大しない」方針を出すんだけど、関東軍は無視だよ。 無視。
勝手に、どんどん戦局を拡大して、5ヶ月ぐらい間に満州全土を占領しちまったんだ。
そのまま関東軍が統治しちゃうと、立派な侵略になるでしょ。
だから、関東軍は考えたわけ。

清王朝の最後の皇帝『愛清覚羅溥儀』を担ぎ出して、『満州国』を建国しちゃたんだ。
確かに見た目は、清王朝が治める国。
でも、実際は関東軍の傀儡国家なんだ。
こうして満州国は、日本のと言うより、軍部の思い通りの政治を行っていくんだ。

そこで、中国は国際連盟に訴えたね。
「日本軍の侵略によってできた、こんな満州国なんて無効でしょ!そうでしょ!」ってね。
だから、国際連盟は、満州へ『リットン調査団』を送りこんで調査を始めたわけ。
そして、調査の結果、国際連盟は中国の言い分を認める事にしたんだ。

日本はこれに、全権大使の松岡洋右を国際連盟に送り込んだんだけど、日本の言い分は否決されてしまった。
すると、「なんだよ、俺らの言い分も聞けよ!こんなのやってられっかぁ!!」って、国際連盟を脱退。
これで、日本は、国際的に孤立してしまう事になるんだ。

それでも、陸軍は調子づいちゃってるから、事の重大さに全然気付いていない。
陸軍は、満州国だけで満足できず中国全土を狙いはじめたんだ。

そんな時、満州国と中国との国境付近の盧溝橋で、日本軍に向かって中国軍から発砲があったんだ。
陸軍は、「これはチャンス」とばかりに中国に攻め込んじゃったね。
これで、中国と全面戦争だ。
日中戦争』の始まりだ。

中国は、蒋介石の国民党と毛沢東の共産党が喧嘩していたけど、日本を迎え討つために手を組んだ。
『抗日民族統一戦線』がそれね。

日本国内では、中国と戦線が拡大したんで、1938年『国家総動員法』が制定されたんだ。
「戦争のために、国家が国民の人的・物的財産を自由にできる」って、ものだ。
これで、いつでも必要なだけ男子を徴兵できて、国民の財産も国家が自由に没収できるようになったんだ。
(ものすごい、理不尽な法律じゃない。)


ところで、ヨーロッパではドイツやイタリアなどのファシズムが勢力を広げていたのね。
ドイツは、一党独裁の『ナチス党』を中心に、『ベルサイユ条約』も無視して軍備を拡張。
そして、周辺諸国への侵略も開始されていんだ。

イギリスもフランスも始めは静観してたんだけど。
ドイツが、ポーランドに侵攻したのをきっかけに、イギリスとフランスがドイツに宣戦布告したんだ。
これが、『第二次世界大戦』の始まりね。

当初は、ドイツ軍の快進撃が続いたんだよ。
イギリスを除く、ヨーロッパ全土を占領したぐらいだから。

そこで、1940年、ファシズムのドイツ・イタリアと、国際連盟を脱退していた日本は同盟を結ぶわけ。
『日独伊三国軍事同盟』がそれね。

この『日独伊三国軍事同盟』を結んだ首相の近衛文麿は考えたねぇ〜
「色んな政党がゴチャゴチャ言ってる場合ではない。国家が1つになる事だ大事だ」てね。
そこで、『大政翼賛会』と言う政党を作り、今までの政党は全て解散する事にしたんだ。
一国一党支配を実現したんだ。

これに見習って、財界も『大日本産業報国会』を結成。
『大日本婦人会』や『大日本青少年会』など相次いで結成して、個人主義無視の全体主義となっていくんだ。
これで、軍国一色の国家になっちまったんだ。


その頃、中国の戦線では日本軍が、北京や上海などの主要都市を占領しちゃってた。
中華民国政府の首都が置かれた南京も陥落させていたしね。
それでも、蒋介石の率いる国民党軍は、アメリカやソ連から軍需物資や応援を受けて、ゲリラ作戦で抗戦だ。
だから、戦局の打開もできず長期戦になってしまったんだ。

それに、日本は当然、連合国の敵であるから石油輸出の全面禁止という経済制裁を受けてしまうわけ。
アメリカや中国に同調したイギリスとオランダと共に『ABCD包囲陣』で、日本は孤立状態だ。

そうなると、石油や鉄類、工作機械などの多くをアメリカから輸入していた日本は致命的なんだ。
軍艦や飛行機、戦車なんか石油が無いと単なる鉄の塊だからね。
だから、日本は、インドネシア諸島、フィリピン諸島などの南方へ、石油を求めて進出していく事になるんだ。

この経済制裁の打開を求めて、日本はアメリカと交渉していたんだけど。
でも、アメリカのハル国務長官は、『ハルノート』を突き付けるわけ。
「中国大陸・インドシナからの日本軍の撤退」「日独伊三国同盟の否定」など条件を示したものだ。

その上、アジアの潜水艦部隊に対し、日本へ物資を送る船を全て沈める無制限潜水艦作戦を発令したんだ。
これを日本は、日本に対する最後通告と受け取ってしまったんだね。
そこで、アメリカとの開戦を決意したんだ。

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ついに軍部の暴走が始まった。 満州事変の勃発だ。
国際連盟も脱退し、日本は孤立してしまう。 さらに日中戦争まで拡大し、国家総動員法が制定される。
それとは別に、ヨーロッパでは、ファシズムのドイツが台頭し第二次世界大戦が勃発。
そんな中、経済制裁を受けてた日本は、ついにアメリカに宣戦布告する。   >>> 無謀だった太平洋戦争

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